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理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性(高橋昌一郎)

アロウ、ハイゼンベルク、ゲーデルらの思索を平易に解説しつつ、人類が到達した「選択」「科学」「知識」の限界論の核心へ。囚人のジレンマから神の非存在論まで、知的刺激にみちた「理性の限界」をめぐる論理学ディベート。




興味のある分野をすべて網羅したような本でした。ディベート形式にしたのは、多角的な視点を盛り込みやすいというのと、初心者にも理解しやすいようにという工夫でしょう。話題転換の部分など特に、分かりやすくしようと頑張った跡が見られます。
そのかいもあってかどうか知りませんが、難しい話題も噛み砕いたわかりやすい説明になっています。量子論の本は今までいくつか読んだことがあますが、たぶん本書の説明が一番わかりやすい。またそれがいろんなジャンルの話題ともつながっていて、まさに知的好奇心をくすぐられる。

本書を手に取った理由は、「考えることの科学」の影響もあって興味対象が論理に移行したからでした。
論理の脆弱性は「考えることの科学」のほうでも描かれていましたが、今回はその”不完全性”についての説明がありました。
サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」にも一部取り扱われていましたが、これは論理だけに限らず、数学にも当てはまる話。


自然数論を含む帰納的に記述できる公理系が、ω無矛盾であれば、証明も反証もできない命題が存在する。
自然数論を含む帰納的に記述できる公理系が、無矛盾であれば、自身の無矛盾性を証明できない。



本書ではこの「ゲーデルの不完全性定理」の簡単な説明をしてくれましたが、これはなかなか衝撃的な話でした。これがまた神の非存在証明にも繋がるとまで言われたら・・・・・・。

夢がある(のかないのか微妙ですが)濃い内容が詰まっています。これはいろんな人にお勧めしたい。





サイモン シン
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