みんなの顔が“のっぺらぼう”に見える―。息子がそう言ったとき、僕は20年前に姿を消した兄に連絡を取った。家族みんなで暮らした懐かしいパルプ町。桜咲く“サクラバ”や六角交番、タンカス山など、あの町で起こった不思議な事件の真相を兄が語り始める。懐かしさがこみ上げるメフィスト賞受賞作。
ノスタルジックなファンタジー。冒頭からの<のっぺらぼう>で、本書の不可解な雰囲気にのみこまれる。厳密にいえば、犯人探しやトリックなどを考える必要のない作品。ミステリーというよりかはファンタジーが強い。一応、起こる出来事に現実的な解釈を当てはめていはいるが、はっきりいってなんの意味もなさない。
ある意味で、メフィストらしい。
息子の彰がみんなの顔が<のっぺらぼう>に見えるというのを聞いて、凌一がまっ先に思い出したのが、「誰かが<のっぺらぼう>を見るようになったら読んでほしい」と言って20年前に姿を消した兄の恭一だった。
そして凌一は恭一との20年ぶりに再会し、兄恭一の口から衝撃の事実を聞くことになる。
物語の中心は恭一の話。少年時代に体験した不思議な出来事。
親友が行方不明になったり、身の回りの何人もが突然死んでしまったり・・・・・・。
そして、すべてが出そろった時に集約する一つの結末。
いい話ではあるが、感動するわけでもない。癒されるというわけでもない。
いろいろと考えさせられます。
読了後に、「もしも自分がこうだったら」と考えてみると、漠然とした行き場のない不安にかられます。そんな状況にある恭一が、大切なこととはないかを説く。
正直言って、月並みな言葉がこんなに身にしみたのは久しぶりです。
空を見上げる古い歌を口ずさみながら、考えてみるのもいいかもしれません。
小路 幸也 / 講談社(2007/05/15)
Amazonランキング:73959位
Amazonおすすめ度:


恩田陸に似てる

ノスタルジーいっぱいのファンタジー

ミステリよりファンタジー
- http://houtaru.blog76.fc2.com/tb.php/60-000b651b
1件のトラックバック
レビューに関する最新ブログ、ユーチューブ、ネットショッピングからマッシュアップした口コミ情報を提供しています。
コメントの投稿